『動物心理学』『学習と言語の心理学』の正誤訂正

2019年出版の『動物心理学』、2020年出版の『学習と言語の心理学』にいくつかの誤記がありました。お詫びします。『動物心理学』は[こちら]、『学習と言語の心理学』は[こちら]に正誤訂正をまとめてあります。増刷時には修正します。

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JEP:ALC誌に論文発表

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Journal of Experimental Psychology: Animal Learning and Cognition 誌の第46巻第3号に下記論文が掲載されました。ラットの走行性味覚忌避学習において、近接US事前呈示効果(proximal US-preexposure effect)を示した研究で、3つの実験から構成されています。走行性味覚忌避学習とは、味覚溶液の摂取後に回転カゴで自由に走行すると、その味覚溶液を忌避するようになるという現象で、古典的条件づけの一種です。条件刺激(conditioned stimulus, CS)は味覚溶液、無条件刺激(unconditioned stimulus, US)は回転かご走行です。本論文では、CS→USの通常の訓練に比べて、試行直前にもUSを与える(つまり、US→CS→US。具体的には、回転かご走行後に味覚溶液を飲んで、また回転かごで走行という順序です)と、味覚忌避が弱くなるという効果を報告しました。また、この効果がUSイメージの一時的劣化によることを示唆するデータを提出しました。拙論の掲載号は、2018年に亡くなったAllan R. Wagner博士の追悼号で、拙論を含め14篇の論文が収載されています。なお、Wagner博士の訃報を紹介した10月2日のブログ記事で拙論について少し触れています。その時に書いていた論文は他誌に投稿して不採択だったのですが、新しい分析を加えたことで論文が改善されました。
Nakajima, S. (2020). Effect of pretrial running on running-based taste aversion learning in rats. Journal of Experimental Psychology: Animal Learning and Cognition, 46, 273-285.要旨

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『心理学ワールド』に自著紹介文掲載

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日本心理学会発行の情報誌『心理学ワールド』の90号に、昨年10月に刊行した拙著『動物心理学―心の射影と発見―』の自己紹介文を書きました。[こちら]から無料でめます。なお、第1段落の末尾の文の冒頭は「本書は漢詩から始まり」となっていますが、「本書は漢籍から始まり」の間違いです。お詫びして訂正します。

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学習と言語の心理学

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『学習と言語の心理学』(中島定彦著、昭和堂 20205月刊、税別2500円)を上梓しました。書店入荷は5月下旬になるでしょう。目次は[出版社のサイト]や[アマゾン]で確認できます。すべて見開きで収まるように文字数や図表のレイアウトを工夫しました。なお、手元に届いた著者分をざっと見ていて気づいたのですが、以下の不適切箇所があります(3回校正したのですが、見落としていました)。お詫びして訂正します。ほかにも不適切箇所や分かりづらい点がありましたら、お知らせください。増刷時に修正します。

5頁 下から5行目:誤「精神科医」→正:「心理学者」
8頁 下から2行目:誤「アメリカでは」→正:「アメリカで」
21頁 図2-16 キャプション下から5行目: 誤「850ヘルツ」→正:「1850ヘルツ」
34頁 図3-17 右パネル横軸:誤「CS-US間隔」→正:「CS-US間隔(秒)」
同出典:誤:「Noble & Gruender」→正:「Noble et al.」
34頁 図3-18 Dパネル横軸:誤「CS-US間隔(秒)」→正:「CS-US間隔(分)」
39頁 上から5行目:誤「A→B→B」→正「A→A→B」
59頁 図5-5 キャプション下から2行目:「短縮する」の後に「つまり、反応速度は向上する。」を挿入
65頁 図5-13 キャプション下から3行目:誤「レバー辺の」→正「レバーへの」
66頁 下から5行目:誤「抹消」→正「末梢」
71頁 下から2行目:誤「要件」→正「用件」
81頁 下から5行目:誤「推移性(reflexivity)」→正「推移性(transitivity)」
81頁 下から3行目:誤「反射性(transitivity)」→正「反射性(reflexivity)」
84頁 図6-20 右端:[B:反応キーをつつく]の右に白矢印を続けて[C:餌]
106頁 図8-7 左端:誤「冠詞」→正「限定詞」
111 頁下から3行目:誤「野球場で友人に」→正「野球場で」

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南徹弘先生ご逝去

大阪大学名誉教授の南徹弘先生が4月15日にお亡くなりになったとの知らせを受けました。75歳でした。 南先生には、日本動物心理学会(動心)や関西心理学会でいろいろとお世話になりました。特に、私が動心の例会担当幹事であった頃には、関西圏の例会について「いろいろとご助言をいただきました。大阪大学を定年でご退職の後、甲子園大学に勤務されており、本学(関西学院大学)の某委員会の外部委員をお引き受けいただいたこともありました。いつも柔和なお顔がしのばれます。

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学科紀要に論文掲載

学科紀要に2篇の論文を発表しました。1つはこの3月に卒業した森 裕希君の卒論研究に基づく実験論文で、コカ・コーラとペプシコーラの試飲比較の際、好きな理由をよく考えて味わうように教示(熟慮教示)すると、ペプシコーラへの好みが増すというものです。熟慮教示なし群ではコカ・コーラがペプシコーラよりも好まれるが、熟慮教示あり群では好みが逆転するという山田ら(2011)の報告の追試研究になります。本研究では、熟慮教示あり群での好みの差は小さく有意ではありませんでしたが、熟慮教示なし群での好みの差や、群間での交互作用はありましたので、おおむね結果を再現できたといえます。
 もう1つは、中島ゼミで2017年度に修士号を得た久須美沙紀さんの修論研究に基づく論文で、調査方法や統計処理などにおいて成田健一先生のご指導を得ました。イヌにも用いることのできる性格形容語(平芳・中島, 2009)をもとに、ヒトとイヌに共通して使用できる質問紙尺度を作成し、信頼性と妥当性を確認したものです。この尺度は[攻撃性][臆病さ][緩慢さ][外向性][気概性]の5因子で構成され、最初の3因子については犬と飼い主の間に類似性が見られました。

森 裕希・中島 定彦 (2020). 熟慮がコーラの選好に及ぼす影響. 関西学院大学心理科学研究, 46, 1-4. [無料ダウンロード]

久須美沙紀・中島定彦・成田健一 (2020). イヌ=ヒト共通性格尺度 (CHOPS) の開発. 関西学院大学心理科学研究, 46, 5-14. [無料ダウンロード]

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レスコーラ博士ご逝去

Bobandme ペンシルベニア大学名誉教授のロバート・A・レスコーラ(Robert A. Rescorla)博士は私の米国留学時(1995-1997)の受け入れ教授で、ワグナー博士(1934-2018)とともにレスコーラ=ワグナー・モデルという古典的条件づけの理論モデルを提唱したほか、条件づけの連合構造の解明など、学習心理学の分野で多大な貢献をされました。ペンシルベニア大学でレスコーラ博士からともに学んだ、同門のマット・ラッタル(K. M. Lattal)オレゴン健康科学大学教授から、つい今しがた、レスコーラ博士が昨日(3月24日)お亡くなりになったとの知らせをもらいました。1940年5月9日生まれですから79歳です。数日前に倒れて頭部に外傷を負い、集中治療を受けていたとのことです。言葉がありません。ご冥福をお祈りします。[写真は2011年にレスコーラ博士が退職した際に弟子たちが集まって行ったシンポジウムで撮影したものです]

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卒論発表会と追いコン

Happyokai中島ゼミの卒論発表会が1月11日(土)にありました。朝11時から昼休憩を挟み午後5時半まで、16件の発表が行われました。今年は発表件数が多いので茶話会を行わず、終了後すぐ追い出しコンパ会場に移動です。
Gyuho1 毎年使っていたお店は閉店のため、今年の会場は甲東園の焼肉「牛宝」。離れて座る状況で一体感に欠けましたが、食べ放題、飲み放題で、皆さんの満足度は高かったようです。
Gyuho29時前に解散。1/20-22には口頭試問があります。4年生はもう一度、卒論を読み返し、発表も制限時間内に収まるよう練習しておいてください。

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動物に「心」は必要か―擬人主義に立ち向かう―

Wathitsu 慶應義塾大学名誉教授の渡辺茂先生から『動物に「心」は必要か―擬人主義に立ち向かう―』(東京大学出版会 2019年12月刊、税別2700円)をいただきました。ドゥ=ヴァールへの批判など、擬人的見解への違和感を随所に散りばめながら、動物心理学のあるべき姿を論じた本です。長く第一線で活躍して来られた先生だけあって、貫禄が違います。

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Japanese Psychological Research誌に論文発表

JprcovJapanese Psychological Research誌の第62巻第1号に下記論文が掲載されました。Behavioural Processes誌に2016年に発表した、ラットは泳ぐと異食行動を示す(カオリン粘土を食べる)という報告の発展的追試です。前報では水泳時間は40分間(1回)でラットは他の実験に参加した個体でしたが、今回の論文では実験歴のない個体でも異食行動を示すこと(実験1)、異食行動を生む水泳時間は20分でもよいが10分では不十分であること(実験2)、濡れるだけ(肢のつくプールに入れる)では異食行動を示さないこと(実験3)を報告しました。異食行動は吐気(悪心)の指標とされていますから、これらの実験は、ラットは20分以上泳ぐと気持ち悪くなることを示唆しています。
Nakajima, S. (2020). Further evidence for swimming-based pica in rats. Japanese Psychological Research, 62, 39-50. [無料ダウンロード

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