[ブログトップ固定]著書の正誤訂正

著書にいくつかの誤記がありました。お詫びします。2019年出版の『動物心理学』は[こちら]、2020年出版の『学習と言語の心理学』は[こちら]に正誤訂正をまとめてあります。ほかにも不適切箇所や分かりづらい点がありましたら、お知らせください。上記の正誤表の記事に追記し、増刷時には修正します。

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『いじめ防止の3R』

3r西軽井沢学園(サムエル幼稚園)理事長の奥田健次先生から監訳された『いじめ防止の3R―すべての子どもへのいじめの予防と対処』(アーンスパーガー著、学苑社、2021年9月刊、税別3,000円)をいただきました。いじめ問題へのスクールワイド応用行動分析によるアプローチを紹介したもので、問題を認識し(Recognize)、対応し(Respond)、報告する(Report)という3つのポイントが具体的に解説されています。

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宮田洋先生ご逝去

Miyatayo_20210904005401 関西学院大学文学部名誉教授の宮田洋先生が2021年8月25日に92歳でお亡くなりになりました。宮田先生は私の前任者にあたります。当時は定年退職者と後任教員が1年(新任が助手の場合は2年)重複できるという「先取り人事」制度があり、宮田先生のご定年1年前に私が着任しました。1997年4月のことです。私は、その年に学長となった今田寛先生の科目や学生を担当するということで米国から帰国したため、実質的には今田先生の後任なのですが、名目的には宮田先生の専任教員枠を埋める形で職に就いたわけです。宮田先生は関学心理出身で、パブロフの弟子のコノルスキーのもとに留学してイヌの条件反射の研究をされました。日本生理心理学会の会長を務められるなど日本の生理心理学の発展に尽くされ、多くの弟子を育てられました。なお、培風館の教科書『心理学の基礎』では第3版以降、宮田先生の執筆された第4章「 学習(1)」に共著者として私の名を入れていただいています。学問だけでなく昔のハミル館のことなど色々と教えていただきました。ご冥福をお祈りします。[写真は1997年春に開催された心理学研究室の歓送迎会で撮影されたもので、いつものようにオーバーアクションで語る宮田先生です(1人おいて私も写っています)]

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Behavioural Processes誌に論文発表

BpfaceBehavioural Processes誌の第192巻に下記論文が掲載されました。[こちら]から要旨が読めます(10月15日までは本文も[こちら]から無料で読めます)。
同誌第159巻で発表したマウスでの走行性味覚忌避学習(味覚刺激摂取後に回転カゴで自由に走行させると、その味覚を忌避するようになる)という第1報[こちら]と第168巻で発表した第2報[こちら]に続く第3報です。なお、今回も味覚刺激としてチーズや干しブドウを使いましたから、これまで通り「食物忌避学習」と表現しています。さて、第2報で「完全な自由走行状況(広いペットケージ内に回転カゴがあり走っても走らなくてもよい状況)でもマウスは走り、その前に食べた餌をあまり食べなくなる(走行を伴わなかった餌はよく食べる)」と結論しました。この結論は2つの実験に基づいており、それらの実験ではまず予備訓練で、閉じた回転かごで1時間走ることを2回(1日1回×2日)教えていました。今回は、予備訓練を完全な自由走行状況で実施しても食物忌避学習が生じることを報告しました。また、予備訓練がまったくなくても(弱いながらも)食物忌避学習が生じうると指摘しました。
 
Nakajima, S. (2021). Food avoidance learning based on entirely voluntary wheel running in laboratory mice (Mus musculus). Behavioural Processes, 192, 104484.

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『VB指導法』

Vbapproach星槎大学の杉山尚子先生から、監訳された『VB指導法―発達障がいのある子のための言語・コミュニケーション― 』(学苑社 2021年7月刊、税別3,400円)をいただきました。スキナーの言語行動論に基づいて、発達障害児の言語訓練の方法を解説した本の翻訳です。マンドなどのスキナーの概念と具体的な指導法が対応して述べられていて、行動療育に関わる学生にお勧めです。身辺自立スキルの訓練にもふれています。

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Learning and Motivation誌に論文掲載

LmtopLearning and Motivation誌の第74巻(冊子体は2021年5月発行)に論文が掲載されます。電子版では本日出版され、[こちら]から要旨が読めます(なお、本日から50日間は本文も[こちら]から無料で読めます)。
ラットを含む多くの哺乳類では成体になると乳糖を消化できません。このため、与えられた乳糖溶液の摂取量は日ごとに減少していきます。これは「乳糖の甘味」と「乳糖による体調異変」の連合学習、つまり古典的条件づけですが、より詳しい心理生理学的しくみについて、以下の2つの仮説間で論争があります。(1)甘味で吐き気を催すようになる嫌悪学習、(2)甘味が危険信号となる恐怖学習、です。ラットは吐き気を催すと土を食べることから、乳糖溶液を与えたラットが土(実験で用いたのはカオリン粘土)を食べるかどうかで、(1)と(2)のどちらが妥当であるかを調べました。実験1、2Aでは乳糖溶液を飲んだラットが土を食べること、実験2Bでは消化できる蔗糖溶液を飲んでもラットは土を食べないことを確認し、実験3ではこうした結果を1つの実験内で再現しました。実験結果は、乳糖の吐き気を生じさせる特徴が乳糖溶液忌避の学習に関与することを示唆しています。つまり、上記(1)の「甘味で吐き気を催すようになる嫌悪学習」だという仮説を支持するものです。

Nakajima, S. (2021). Kaolin clay intake motivated by lactose ingestion in rats. Learning and Motivation, 74, 101724.

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Japanese Psychological Research誌に論文発表

Jprv632cover Japanese Psychological Research誌の第63巻第2号に下記論文が掲載されました(2020年2月にオンライン公開されており、冊子形態では1年以上の遅れで出たことになります)。この論文では、味覚溶液摂取後に泳がせるとラットがその味覚溶液を忌避するようになるという「水泳性味覚嫌悪学習」のメカニズムを探りました。水泳が引き起こす身体不調は催吐剤(塩化リチウム)が引き起こす身体不調(吐気、悪心)とは異なることを示唆する結果が得られました。実験1Aと1Bは交差耐性の手法を用いています。具体的には、事前の水泳経験はその後の「味覚溶液―水泳」学習を減弱するが、事前の催吐剤注射はその後の「味覚溶液―水泳」学習を減弱しないこと(実験1A)、事前の催吐剤注射経験はその後の「味覚溶液―催吐剤」学習を減弱するが、事前の水泳経験はその後の「味覚溶液―催吐剤」学習を減弱しないこと(実験1B) を示しました。実験3では、選択的連合の手法を用いました。具体的には、水泳はサッカリンが呈する味覚よりも蔗糖が呈する味覚と連合しやすい(サッカリン嫌悪学習よりも蔗糖嫌悪学習が強く形成される)、催吐剤は蔗糖が呈する味覚よりもサッカリンが呈する味覚と連合しやすい(蔗糖嫌悪学習よりもサッカリン嫌悪学習が強く形成される)、といった事実を示しました。なお、過去の研究で、走行性の味覚嫌悪学習は催吐剤による味覚嫌悪学習と同様の身体不調(吐気、悪心)にもとづくことが明らかになっていますから、この論文の結果と合わせて考えると、水泳性味覚嫌悪学習と走行性味覚嫌悪学習はともに運動性味覚嫌悪学習ではあるものの、異なる身体不調に基づいて形成されていることが推察されます。
Nakajima, S. (2021). Taste aversion learning based on swimming and lithium chloride injection in rats: Implications from cross‐familiarization tests and stimulus selectivity. Japanese Psychological Research, 63, 72-84.[無料ダウンロード

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学科紀要に論文掲載

学科紀要に論文を発表しました。中島ゼミで2017年度に修士号を得た久須美沙紀さんの修論研究に基づく2つ目の論文で、1つ目は昨年の学科紀要で発表しています(こちら)。今回の論文も調査方法や統計処理などにおいて成田健一先生のご指導を得ました。前報で開発した[攻撃性][臆病さ][緩慢さ][外向性][気概性]の5因子で構成される「イヌ=ヒト共通性格尺度」を用いてオンライン調査を行い、630組のイヌと飼い主の性格の類似性を検討したところ、全ての性格因子で統計的に有意な正の相関を得ました。ただし、相関係数は低く(r = .10~.26)、「イヌと飼い主の性格はわずかに似ている」という結論となりました。海外で行われた同じテーマの研究との比較も行っています。
久須美沙紀・中島定彦・成田健一 (2021). イヌ=ヒト共通性格尺度を用いて測定した5因子性格特性におけるイヌと飼い主の類似性. 関西学院大学心理科学研究, 47, 15-24.[無料ダウンロード]

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2020年度卒業式

Cimg0035_20210318105701関西学院大学の卒業式は2021年3月17~18日でした。文学部では17日午前に卒業式があり、その後に総合心理科学科の卒業証書授与式が行われました。昨年度はコロナ禍で卒業式・卒業証書授与式が開催できませんでしたので、マスク着用かつ時間短縮で簡素な形式でしたが、実施できたことを喜びたいと思います。天気も良く暖かい日で、中央芝生も卒業生たちでにぎわっていました。

20210317_114053卒業証書授与式では学科代表の小川先生の挨拶の後、ゼミごとに各人に卒業証書が授与されました。時間短縮のため各教員の挨拶はなく、教員メッセージは色紙として、製本した卒業論文に挟み込まれ、卒業証書とともに手渡されました)。

2020nendosotsugyo 授与式終了後、ゼミごとに記念撮影をしました。中島ゼミでは今年度卒業生は全員女性で華やかな写真になりました。コロナ禍のため謝恩会は自粛でしたから、寂しい思いもありましたが、この記念写真からゼミ生の皆さんの笑顔が確認できて、嬉しく思います。卒業生の皆さんの輝ける前途を祝します。

 

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『オールコック・ルーベンスタイン動物行動学(原書11版)』

30alcock北海道大学教授の松島俊也先生から訳出された『オールコック・ルーベンスタイン動物行動学(原書11版)』(丸善出版 2021年2月刊、税別16,000円)をいただきました。動物行動学の標準教科書として定評のある教科書の最新版の翻訳です。価格は高いのですが、美しい写真やイラストが満載です(松島先生によれば、それらの版権のため価格が高くなってしまったそうです)。私個人用として原書もこの訳書も既に購入済でしたので、ご恵贈いただいたものはゼミの部屋に常備とします。また、学科の図書費で購入したものがF号館図書室に配架してあります。

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卒論発表会と追いコン

Cimg0033Cimg0034 中島ゼミの卒論発表会を1月9日(土)に行いました。今年は昨年と同じく16件の発表でしたが、新型コロナウィルス感染症予防のため、例年よりも発表時間を5分短縮することで開始を昼12時、終了は午後5時として計画しました。コロナ禍にもかかわらず頑張って複数の実験や調査を実施した卒論が多かったこともあり、発表会の終了は5時半となってしまいました。追いコンも対面ではできませんので、7時からのZoom開催としました。3年生の新歓コンパもできていませんでしたから、3年生と4年生の自己紹介の時間となりました。2004年度卒業のOBである獅々見元太郎君(東京都世田谷区にある三田国際学園中学校・高等学校英語科講師)がオンライン参加してくれました。

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