[ブログトップ固定]著書の正誤訂正

著書にいくつかの誤記がありました。お詫びします。2019年出版の『動物心理学』は[こちら]、2020年出版の『学習と言語の心理学』は[こちら]、2023年出版の『動物心理学への扉』は[こちら]に正誤訂正をまとめてあります。ほかにも不適切箇所や分かりづらい点がありましたら、お知らせください。上記の正誤表の記事に追記し、増刷時には修正します。

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『生理心理学 第3版』

Seiri3上智大学教授の岡田隆先生から『生理心理学 第3版―脳のはたらきから見た心の世界―』(岡田隆・廣中直行・宮森孝史・岡村陽子著、サイエンス社、2024年5月刊、税別2,400円)をいただきました。コンパクト新心理学シリーズの1冊ですが、シリーズの中で最も版を重ねている本になります。1つ前の第2版では、公認心理師の学部科目が「生理・神経心理学」となったことに対応して、初版よりも神経心理学の内容を増やしていましたが、第3版でもこの傾向がさらに進んで、臨床との結びつきをより強く意識した内容になっています。私の手元に今ある初版と比べてページ数が少し増えていますが、薄い紙(といっても普通の教科書よりは厚め)になっているので、本自体はむしろ少し薄くなっていて、「コンパクト」の名に偽りがありません。図も見やすくなっています。

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2023年度中島ゼミ新入生歓迎の集い

Img_2103 Img_2106 中島ゼミへの新入生を歓迎する集い(歓迎コンパ)を4月30日(火)の夜に、焼き鳥屋「鳥居仁川本店」で開催しました(仁川の鳥居本店をゼミコンパで使うのは初めてです)。参加者は3年生18名全員、4年生7名、大学院生1名でした。中島を加えて27名でした。ここ数年は4年生の参加が少なかったのですが、今年は4年ゼミ生の半数の都合が良かったようです。昨年に続き、小雨降る中、10時前に解散しました(中島はそのまま帰宅しましたが、2次会に向かった人も)。

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『心理学概論アップデート』

Update帝塚山学院大学准教授の沼田恵太郎先生と明星大学准教授の丹野貴行先生から『心理学概論アップデートー古典とその後の研究から学ぶ日常に生きる心理学』(天谷祐子・小川健二・古川洋和編、ミネルヴァ書房、2024年月刊、税別2,800円)をいただきました。あとがきによれば、本書は日本心理学会の若手の会の企画で出版されるもので、編者も執筆者も全員若手です。「心と脳」「認知」「学習」「欲求」「パーソナリティ」など10章で構成されていて、各章とも、まず普通の心理学教科書にも掲載されるような内容を「Old」として解説し、章の後半で最近の研究をNewとして取り上げるという形をとっています。Newの記事に必要なページの分、Oldのページが抑制されており、Oldで取り上げる当該研究領域での基本知識が限定的になったり、説明不足な点が否めません。したがって、これを心理学の最初の1冊とするのは難しいと思いましたが、すでに心理学の入門を学んだ学生が、自分の関心を見つけるためにはよいかもしれません。沼田・丹野の両先生は第3章「学習」を共同執筆しています。面白いのは、心理学の入門教科書だと触れないケイミンのブロッキングや、VRスケジュールとVIスケジュールの反応率比較の話までOldで言及し(その分、学習の章で通常言及する項目がかなり省略されています)、Newではさらにその先の研究を紹介しているところです。新しい話を知りたい3年生以上の学生には向いているかもしれません。

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『改訂版 動物行動図説』

Keiteidobutzusetsu動物の行動と管理学会の先生方から『改訂版 動物行動図説―産業動物・伴侶動物・展示動物・実験動物 』(動物の行動と管理学会(編)、朝倉書店、2024年4月刊、税別3,900円)をいただきました。私の書棚にも並んでいる2011年出版の『動物行動図説―産業動物・伴侶動物・展示動物』の改訂版ですが、実験動物が加わった一方で、展示動物を哺乳類と鳥類に限定したこともあって、分量が216頁→192頁と少なくなっており、また わずかに薄い紙を使っているようで、やや軽く薄くなっています。このためか、価格が税別4,950円→ 3,900 円と大幅に安くなっています。前書では行動レパートリーと社会構造のそれぞれについて、動物ごとに各論が多くの写真付きであったのですが、改訂版では行動レパートリーは概説の見にとどめ、動物ごとに社会構造を含む様々な行動的側面について多くの写真付きで紹介されています。行動調査の方法に関する解説も簡略化され、第2章から最終章に移動になっています。総じて、さらに良い本になっているようです。

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2023年度の学会大会への参加

2023年度に参加した学会大会等について、記録のため以下に記しておきます(すべて対面参加です)。
 ★国際応用動物行動学会議@エストニア国タリン市(8/1-5)
 ・日本行動分析学会第41回年次大会@立命館大学(9/1-3)
 ★日本心理学会第87回大会@神戸国際会議場(9/15-17)△×2
 ・日本動物心理学会第83回大会@帝京科学大学(10/7-9)
 ・日本動物行動学会第42回大会@京都大学(11/3-5)
 ・関西心理学会第134回大会@立命館大学(11/12)
 ・日本行動分析学会創立40年記念事業 横浜学術集会(11/18)
 ・日本基礎心理学会第42回大会@豊橋技術科学大学(12/1-3)

このうち、ブログ記事を書いたのは★印をつけたものだけです。また、〇は単独発表、△は共同発表をした大会です。日本動物心理学会と関西心理学会の大会は会長としての参加です。

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2023年度卒業式

All 関西学院大学の卒業式は2024年3月18日と19日で、文学部は18日でした。昨年度は教職員はマスク着用、卒業生や家族のマスク着用は各人の自由でしたが、本年度は教職員もマスク着用は自由となりましたので、ほぼ全員がマスクなしでの式典でした。文学部の学科での卒業証書授与式は昨年度から教職員もマスク着用自由としていました。挨拶の時間も昨年度と同じく十分にあり、コロナ前に完全に戻った形です。

Dsc_0259 Godzilla 卒業証書とともに、製本した卒業論文を一人ひとりにゼミごとに手渡しました。心理学の知識と観点という目に見えないサバイバルキットも学科から皆さんに授けました。

Ondesk Cimg0176 卒業生の皆さん、おめでとう。コロナ後の社会も大きく動いていますが、しっかり生き抜いてください。それでは、お元気で。

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Behavioural Processes誌に論文掲載

Bpface_20240214123301Behavioural Processes誌誌の第261巻(20243月発行)に下記論文が掲載されます。電子版ではすでに出版され、[こちら]から要旨が読めます(同誌購読機関では本文も読めます)。なお、本日から50日間は[こちら]から無料で本文が読めます。

ラットは嘔吐できませんが、内臓不快時にはカオリン(陶器材料となる粘土鉱物)を食べる習性があることが50年近く前に発見されました。しかし、内臓不快時にカオリン以外の鉱物を食べるかどうか、まったく検討されていませんでした。そこで、昨年、Physiology & Behavior誌に発表した拙論(紹介は[こちら])で、塩化リチウム注射により気分不快にしたラットは石膏(硫酸カルシウム)も食べるがカオリンほどでなく、石灰(牡蠣殻:炭酸カルシウム)はあまり食べないと報告しました。さて、本論文では、ゼオライトやベントナイトも、気分不快時には(カオリンほどではないが)多少は食べることを報告しました(なお、この2種類の鉱物は、牛豚羊鶏などの家畜の体調維持のため酪農家がしばしば与えています)。あわせて、石灰石(炭酸カルシウム)は食べないこと、カオリンでも産地によって摂食量に違いがあることを報告しました。本論文は、ラットの気分不快を測定するために最適な鉱物を明らかにしようという試みです。

Nakajima, S. (2024). Pica behavior of laboratory rats (Rattus norvegicus domestica): Nauseated animals ingest kaolin, zeolite, bentonite, but not calcium carbonate chalk. Behavioural Processes, 216, 105001.

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Learning and Motivation誌に柾木君の遺稿掲載

Lmtop昨年10月に44歳で逝去した柾木隆寿君(健康科学大学専任講師:追悼記事は[こちら])の遺稿が、Learning and Motivation誌の第86巻(冊子体は20235月発行)に論文掲載されます。電子版では本日出版され、[こちら]から要旨が読めます(なお、本日から50日間は本文も[こちら]から無料で読めます)。

この論文は柾木君が関西学院大学にいたときに行った2つの実験から構成されています。実験1はラットを実験箱に滞在させた後、20分間の水泳をさせるという処置を繰り返すと、ラットはその実験箱を忌避するようになるという発見の報告で、実験2ではこうした水泳性場所嫌悪学習は水泳時間が1分間でも生じることを示しています。

柾木君は今田寛先生(現:関西学院大学名誉教授)のゼミに属し、2000年に私の指導下で、水泳によって生じる味覚嫌悪学習の確認に成功しました。これが彼の卒業論文です。大学院に進学してからもこの水泳性味覚嫌悪学習の研究に専心し、私との共著で多くの論文を国際誌に発表しました。彼の修士論文、博士論文もこのテーマです。なお、1996年にカナダの研究者らによって報告され、私の研究室でも2000年以降、発表し続けている研究に、ラットの走行性味覚嫌悪学習(回転カゴ走行によって生じる味覚嫌悪学習)があります。柾木君は走行によって場所への嫌悪も形成されることを発見しました[こちら]。つまり、「走行性味覚嫌悪学習」「水泳性味覚嫌悪学習」「走行性場所嫌悪学習」がこれまでに知られていたわけです。今回の論文は残る「水泳性場所嫌悪学習」を報告したということになります。彼の未発表原稿が私の手元にありましたので、ご遺族の承諾を得て補足改訂し、昨年11月に雑誌投稿していたところ、審査と修正を経て、このたび掲載にいたりました。

彼の御霊の安らかならんことを。

Masaki, T., & Nakajima, S. (2024). Conditioned place aversion based on forced swimming in rats. Learning and Motivation, 86, 101967.

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『学習と言語の心理学』の第4刷が出ます

拙著『学習と言語の心理学』(昭和堂)は2020年6月に刊行し、その後2022年2月に第2刷、2023年9月に第3刷と、およそ1年半ごとに増刷してきましたが、第3刷から半年弱で在庫が少なくなりましたので、来月(2024年2月)に第4刷が出ることになりました。今回の変更箇所は以下のみです。
8頁 第3段落1行目:誤「フランスの言語学者」→正「スイスの言語学者」
以前にも書いたように、ソシュールはフランス系スイス人で、スイスの大学を卒業後、ドイツの大学院で博士号取得後にフランスで教鞭をとりつつ、パリ言語学会で活躍してからスイスのジュネーブ大学の教授になっています。私は、ソシュールは生前に著書を残さず、死後に弟子たちが講義録をもとに『一般言語学講義』をフランス語で出版したことは憶えていましたが、ソシュールがスイス生まれであることを忘れていました(フランス出身でスイスの大学で教えたという記憶に置き換わっていました)。「フランスの言語学者」との記述は(100%間違いではありませんが)不適切です。2023年の暮れにソシュールについて学びなおしていてこの間違いに気づきました。第1~3刷がお手元にある方は、ご面倒ですが上記箇所を修正ください。
なお、実森正子先生との共著『学習の心理』(サイエンス社)は初版が20年間で24刷、第2版が3年余りで8刷です(増刷頻度が高いのと、正誤修正がもうないのでこのブログではいちいち記事にしていません)。『学習と言語の心理学』は増刷回数・頻度も、1回の増刷あたりの部数も『学習心理』には及びませんが、健闘しています。

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卒論発表会と追いコン

Img_1901 Img_1902 中島ゼミの卒論発表会を1月9日(火)に行いました。今年は卒論提出者15名のうち2名が体調不良で欠席となりましたので、13名の発表でした。今年は前日まで年末年始休みで大学が閉まっていたため、当日の午前9時から4年生たちが資料印刷を始めましたが、印刷機の不調などもあって開始時刻が当初予定の昼12時から1時間半遅れの午後1時半となり、終了は午後5時過ぎになりました。このため、発表後の3年生と4年生の交流会の時間が持てませんでした。

Img_1908 Img_1915 しかし、午後6時から9時まで、甲東園の焼き鳥屋「鳥居」にて開催した送別の会(追いコン)で、かなり交流できたようでした。4年生の皆さんは今日の発表を省みて、17日から始まる口頭試問に備えてください。

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