動物心理学研究設備の現在

このブログのカテゴリー[動物心理学研究設備]にある紹介記事は2004年9月時点のものです。その後、佐藤暢哉先生の着任に伴い、共同管理体制となりました。また、2015年度をもってハトでの行動研究を終え、設備は破棄または他大学に移譲しました。ラットの研究装置についても変更になっています。

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動物心理学研究設備の紹介

 関西学院大学文学部総合心理科学科には、動物心理学研究施設があり、中島が管理しています。
 ラットやマウスを対象とした心理学研究のための設備として、F号館地下に、飼育室・薬品保管室・データ分析室および実験室(6室)があり、回転カゴ17台・スキナー箱10台・摂水抑制箱8台・シャトル箱3台・放射状迷路1台・水迷路1台・直線走路1台などの装置を保有しています。
 ハトを対象とした心理学研究のための設備として、ハミル館動物棟に、飼育室・準備室および実験室があり、スキナー箱8台などの装置を保有しています。
 いずれも、国の「動物の愛護及び管理に関する法律」「実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準」および兵庫県の「動物の愛護及び管理に関する条例とその施行細則(いずれも『兵庫県法規集』の第10編「健康福祉」の第13章「動物の愛護及び管理」に掲載)にしたがうとともに、同条例第25条に基づき兵庫県に届出をしています。
 また、文部科学省の「研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針」にもとづき、関西学院大学動物実験管理規程に定められた動物実験委員会によって、動物心理学研究施設と毎年の研究計画が承認されています。
 研究実施に当たっては、日本学術会議の「動物実験の適正な実施に向けたガイドライン(リンク先はpdfファイル)」にしたがっています。
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飼育室

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 ラットの飼育ケージです。排泄物や食べ残しはケージ下に落ち、定期的に急流で水洗します。
 F号館地下には、最大340匹のラットを飼育可能な設備があります。F号館地下の動物研究エリアは、ほかのエリアから区切られているだけでなく、空気がすべて飼育室方向に流れる強制排気システムを採用していて、においが外にもれないように設計されています。

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 ハトの飼育ケージです。ハミル館の動物棟では、最大32羽のハトを飼育することが可能です。

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回転カゴ(Running Wheel)

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 一般に、回転カゴはラットの活動性を測定するために使用されます。
 われわれの研究室では、写真のような自作の簡易回転カゴ4台のほか、市販の回転カゴ2台、そしてモーターつき回転カゴ4台を所有していますが、活動性の研究ではなく、以下に述べるような不思議な学習現象を研究するために使用しています。

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運動によって形成される味覚嫌悪学習

 回転カゴを用いて、われわれの研究室でここ数年、重点的に研究しているテーマを紹介します。
 
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 実験室にケージを準備します。

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 のどの渇いたラットに、味のする水を15分間飲ませます。次に、ラットを回転カゴに入れて、15分間自由に走らせます。この手続きを数日繰り返すと、ラットは、その味の水を嫌いになります(自由に走る時間が1時間だと、1回で嫌いになります)。
 この現象は、1996年に、カナダの研究者らによって初めて報告されましたが、なぜそうした学習が生じるのか解明されていません。
 われわれの研究室では、この現象が古典的条件づけの諸特徴を備えていること、回転カゴ走行だけではなく、プールでの強制遊泳によっても、味覚嫌悪学習が生じること、などを明らかにしてきました。まだまだ、わからないことも多く、今後とも研究が必要です。 

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モーターつき回転カゴ(Motorized Wheel)

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 回転カゴにモーターが付いていて、ラットを一定速度で強制的に走行させることができます。速度および運動負荷は、実験によって変えることが可能です。

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スキナー箱(Skinner Box)

 B.F.Skinnerが考案したオペラント条件づけ研究のための装置で、「オペラント箱(operant chamber)」とも呼ばれます。

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 ラット用スキナー箱では、正面パネルに取り付けられた反応レバーを押すと、固形の餌粒(ペレット)が1つ出てくる仕組みになっています。

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 ハト用スキナー箱では、正面パネルに取り付けられた反応キー(円形の窓)をつつくと、穀物が与えられます(下の開口部から容器に入った穀物を食べることができます)。

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累積記録器(Cumulative Recorder)

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 B.F.Skinnerがフリー・オペラント場面での行動研究のために考案した記録装置です。ハーバード大学の学内で工作所を営んでいたR.Gerbrandsが1950年代前半に市販し始めました。
 巻紙がゆっくりした速度でほどけて手前に出てきます。動物が反応するたびに、記録ペンが少し左に移動します。このため、反応の刻一刻の生起が、累積反応数の形で、紙の上に描かれることになります。なお、強化子が呈示されると、記録ペンが一瞬だけ右にふれるしくみになっており、いつ強化子が呈示されたかもわかるようになっています。

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 出てきた紙は横長にして観察するので、累積反応数は右上がりの線で示されます。

 現在では、コンピュータの発達などにより、紙に記録する装置はほとんど使われなくなってきています。Gerbrands社は1994年に廃業してしまい、われわれの研究室にある同社製の6台の累積記録器も、骨董品になってしまいました。

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摂水抑制箱(Licking Suppression Box)

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 今田寛先生(関西学院大学名誉教授)が、古典的条件づけおよび情動研究のために考案した装置です。
 のどの渇いたラットが水を摂取しているときに、音刺激(光刺激でもよい)を呈示してから不快刺激を与える、という手続きを行うと、ラットは音刺激と不快刺激の関係を学習し、音刺激が呈示されると、摂水行動を停止するようになります。音刺激により不安の情動が誘発されるためと考えられています。
 写真は1980年代に製作された改良・拡張版ですが、原型が1960年代後半に製作されて以降、約150もの実験が関西学院大学で行われてきました。

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シャトル箱(Shuttle Box)

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 O.H.Mowrerらによって考案された実験装置で、不快刺激からの逃避/回避学習を研究するために使用されています。ラットは床から与えられる不快刺激を避けるため、部屋の反対側に移動しなければなりません。不快刺激の到来を予測する信号刺激(音や光)を与えて、信号刺激と不快刺激の関係性を学習させることもあります。

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