『基礎心理学実験法ハンドブック』

Jikkenhouh日本基礎心理学会・監修の『基礎心理学実験法ハンドブック』が朝倉書店から刊行されました(2018年6月刊、18,000円+税)。
 第4部[学習と行動]に含まれる5つの章のうち3つ(「古典的条件づけ」「走路/迷路学習・逃避/回避学習」「ヒトの学習研究法」)の編集を担当しました。また、下記の7項目を単独執筆しました。このうち1つ目は第1部[実験の基礎]、それ以外は第4部[学習と行動]の中の項目です。
 
動物実験の研究倫理 pp.48-49
代表的な古典的条件づけ事態 pp.290-293
古典的条件づけにおける連合構造とその表出 pp.294-295
古典的条件づけの消去とそれに関係する現象 pp.296-297
逃避学習と回避学習 pp.308-311
オペラント条件づけにおける連合構造とその表出 pp.344-345
見本合わせ法 pp.364-365

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『基礎心理学研究』に論文掲載

Psychono1日本基礎心理学会発行の『基礎心理学研究』に、不安障害に対するエクスポジャー(曝露)法の理論に関する解説論文を書きました。特に、近年、あまり評価されていないように思える系統的脱感作法について、ラットでの条件づけ実験結果に基づき、単純なエクスポージャー法や段階的エクスポージャー法よりも優れている可能性を再検討すべきではないかと提言しました。中島ゼミ出身の臨床心理士遠座奈々子さんとの共著です。

遠座奈々子・中島定彦 (2018). 不安障害に対するエクスポージャー法と系統的脱感作法―基礎研究と臨床実践の交流再開に向けて― 基礎心理学研究, 36, 243-252. [無料ダウンロード]

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Learning & Behavior誌に論文掲載

LbfrontpPsychonomic Society発行のLearning & Behavior誌に、ラットの走行性味覚嫌悪学習とパイカ行動(粘土食)に関する論文が掲載されました。要旨は[こちら]。
 回転カゴ走行によってパイカ行動が出現するという前報の追試(実験1)、走行性味覚嫌悪学習とパイカ行動を同一個体で同時に実証し弱い正の相関を確認(実験2)、パイカ行動は走行性味覚嫌悪学習を減弱しないこと(実験3)、吐き気はパイカ行動を生むが腹部の痛みはパイカ行動を引き起こさないこと(実験4)、を報告しています。

Nakajima, S. (2018). Running-based pica and taste avoidance in rats. Learning & Behavior, 46, 182–197.

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学科紀要に論文掲載

 大学入試センター試験(研究1)および3種の国家試験(研究2)について、選択肢のどこに正答が置かれているかを調査した論文を学科紀要に発表しました。いずれの試験も、正答はほぼ均等に分布していましたが、中央に正答が置かれる傾向が、弱いながらも、統計的には有意に見られることがわかりました。なお、この研究は、海外で行われた同様の研究(Attali & BarHillel, 2003)から中島が発案し、2011 年度卒業生の安藤拓也君(研究1)と徳力洋介君(研究2)が卒論研究として取り組み、多大の労力を尽くして集計したデータが元になっています。なお、この論文の序論では、同一(ないしは類似)の品物の選択においてみられる中央バイアスや右側バイアスに関する諸研究を展望しています。

中島定彦・安藤拓也・徳力洋介 (2018). 択一式筆記試験における正答の位置. 関西学院大学心理科学研究, 44, 9-15. [無料ダウンロード]

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International Journal of Comparative Psychology誌に論文掲載

Ijcpfront国際比較心理学会の機関誌に論文が掲載されました。
 味覚溶液を与えてから回転カゴで自由に走行させる手続きを行うと、その味覚溶液を忌避するようになります(走行性味覚嫌悪学習)。この訓練後に当該味覚溶液を繰り返し与えて走行させない「消去処置」を行うと、テスト時に見られる味覚忌避が弱まるという「消去現象」を報告したものです。また、消去処置からテストまで8日間の待機期間を設けると、消去からの自然回復(味覚忌避の再出現)が弱いながらも確認できました。

Nakajima, S. (2018). Extinction of running-based taste aversion in rats (Rattus norvegicus). International Journal of Comparative Psychology, 31. ID:55p958ks
無料ダウンロード

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Learning and Motivation誌に論文掲載

LmtopLearning and Motivation誌の第63巻(冊子体は2018年8月発行)にもう1篇、論文が掲載されました。電子版で本日出版され、[こちら]から要旨が読めます(本日から50日間は本文も無料で読めます)。
 われわれは「ラットに味覚溶液を与えてから水槽で泳がせると、その溶液を忌避するようになる」という水泳性味覚嫌悪学習を発見し、[2004年に報告]しました。この報告を含めて18の実験で現象を確認し、それらを合計8篇の論文にまとめてきました。そうした研究によって、(1)この学習には味覚溶液と水泳の随伴対呈示が必須であること(この学習は古典的条件づけの一種であること)、(2)濡れるだけでは味覚嫌悪学習が生じないこと、(3)水位が高い(足がつかない)ほうが味覚嫌悪学習は大きいこと、(4)泳がせる時間が長いほど味覚嫌悪学習は大きいこと、(5)味覚溶液摂取終了から水泳まで30分の遅延があっても味覚嫌悪学習が生じること、(6)味覚溶液と水泳の同時呈示(味覚溶液内で泳がせる)処置でもわずかに味覚嫌悪学習が生じること、(7)味覚溶液―水泳の訓練期間の前や後に水泳経験を与えると味覚嫌悪学習が小さくなること、などを明らかにしてきました。
 これまですべての実験では水温は室温と同じ22℃でした。本論文では、水温22℃、30℃、38℃のいずれで味覚嫌悪学習が最も大きいかを群間実験で検討しました。その結果、2つの実験(実験1:単純条件づけ、実験2:分化条件づけ)はともに、水温22℃で最も嫌悪が大きいことを示しました。本研究で用いた水槽の大きさでは、水温が高いほうが活動性も高くなることから、運動が味覚嫌悪学習を引き起こしているわけではないと結論しました。

Nakajima, S. (2018). Effect of water temperature on swimming-based taste aversion learning in rats. Learning and Motivation, 63, 91-97.

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2018年度中島ゼミ新入生歓迎の集い

Cimg9752Cimg9755中島ゼミへの新入生を歓迎する集い(歓迎コンパ)を4月24日(火)の夜に開催しました。会場はいつものように甲東園のちゃんこ樹月です。今年は3年生11名、4年生2名、大学院生1名に中島を加えた15名。例年に比べて少ない参加者数でしたが、お店のサービスはいつも通りたっぷりでしたし、和気あいあいとした会になりました。

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2017年度卒業式

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2017_32018年3月19日に関西学院大学卒業式があり、その後に総合心理科学科の卒業証書授与式が行われました。あいにくの天気でしたが、われわれ教員にとって卒業生たちの晴れやかな顔は太陽以上の輝きです。
2017_5学科の謝恩会はリーガロイヤルホテル大阪で華やかに行われました。これから先の人生、さまざまなものを吸収して、さらに成長してほしいと願います。

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Physiology & Behavior 誌に論文掲載

Bptop国際行動神経学会の機関誌Physiology & Behavior誌の第188巻(2018年5月発行)に下記論文が掲載されます。電子版ではすでに出版され、[こちら]から要旨が読めます(同誌購読機関では本文も読めます)。なお、本日から50日間は[こちら]から無料で本文が読めます。
 ラットは嘔吐できませんが内臓不快時にはカオリン(陶器材料となる粘土鉱物)を食べる習性があります。しかし、なぜ食べるかは不明でした。本論文は2つの実験からなり、いずれもカオリンを食べると不快感が減弱することを、味覚嫌悪条件づけの技法を用いて明らかにしました。より具体的には以下の通りです。
 内臓不快を引き起こす塩化リチウムを、味覚溶液摂取後に注射すると、その味覚溶液を忌避するようになります(味覚嫌悪条件づけ)。飼育ケージでカオリンをいつも食べることのできたラットでは、この条件づけ学習の程度が弱まりました。このことから、塩化リチウムによって喚起された内臓不快感をカオリンが減弱すると結論しました。

Nakajima, S. (2018). Clay eating attenuates lithium-based taste aversion learning in rats: A remedial effect of kaolin on nausea. Physiology & Behavior, 188, 199-204.

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Learning and Motivation誌に論文掲載

LmtopLearning and Motivation誌の第63巻(冊子体は2018年8月発行)に下記論文が掲載されます。電子版ではすでに出版され、[こちら]から要旨が読めます(2月9日時点では本文も無料で読めますが、近く本文は無料で読めなくなるでしょう)。
 消去した反応は、背景文脈(実験装置)の変化、時間経過、再条件づけなどによって復活しますが、この復活は、通常の方法で消去した(条件づけ時に用いた条件刺激を単純呈示した)場合だけでなく、段階的に消去した(弱い条件反応を引き起こす刺激からまず消去し、徐々に条件刺激の強度を上げた)場合でも見られ、しかも復活程度はむしろ大きくなること、を味覚嫌悪学習場面で示した実験3つからなります。
 本論文は2015年に発表した同趣旨の論文の発展的追試です。前報では味覚嫌悪学習をやや特殊な方法で形成していたのですが、この論文では一般的な味覚嫌悪学習の手続きを用いて同じ結論を得ました。
 こうした結果は、系統的脱感作法のような段階的消去のほうが症状再発の可能性が高いことを意味しており、臨床的心理学への基礎心理学からの重要な示唆といえるでしょう。います。なお、この論文は、大貝貴也君(現:筑波大学院生)と佐々木彩乃さん(中島ゼミ現3年生)との共同研究です。

Nakajima, S., Ogai, T., & Sasaki, A. (2018). Relapse of conditioned taste aversion in rats exposed to constant and graded extinction treatments. Learning and Motivation, 63, 11-19.

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