『行動分析学事典』正誤訂正

『行動分析学事典』で私が執筆した項目「刺激等価性:基礎」に以下の誤記がありました(京都大学霊長類研究所教授の友永雅己先生からご指摘いただきました)。
p.329 上から5行目:「対称性」→「反射性」  シドマンの刺激等価性概念の「反射性」「対称性」「推移性」について順次解説している段落の最初、「反射性」について具体的な説明をしている文章の締めくくり部分なので誤記であることは明らかですが、読者を混乱させ得るものであり、お詫びいたします。
 『行動分析学事典』は編纂委員間で何度もチェックし、 校正作業も5校に及びましたが、見逃したようです。こうしたケアレスミスは他にもあるかもしれません。発見された方は、編纂委員または出版社までお知らせいただければ幸いです。次刷にて修正いたします。

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学科紀要に論文掲載

 阻止効果(blocking effect)は、古典的条件づけにおいて、多くの動物種のさまざまな実験事態で確認される普遍的な現象です。約半世紀前にラットの条件性抑制事態で最初に発見されました。しかし、2016年にその頑健性に疑念を示す論文が発表されました。条件性抑制事態で15回も確認に失敗したというのです。ところが、実験結果をよく見ると、そのほとんどは天井効果(実験群も統制群も値が高すぎて差がない)や床効果(実験群も統制群も値が低すぎて差がない)によるもので、実験設定に問題があります。このたび、佐藤暢哉先生のゼミの3年生たちが、同ゼミ研究員の山岸厚仁君の指導下に阻止効果の実験を行い、容易に現象確認に成功しました。そこで、過去に発表された阻止効果の諸実験論文を展望し、実験の再現とは何かについて論考をまとめました。

山岸厚仁・中島定彦・廣野翔太・三島美緑・木本琢海・記田浩明・鹿瀬大稀・松藤未宇・酒井太郎・賈擎宇・橋本侑希美・水江春美・大久保綾香・北野孝太・佐藤暢哉 (2019). ラットの条件性抑制における阻止効果の再現. 関西学院大学心理科学研究, 45, 9-18. [無料ダウンロード]

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2019年度中島ゼミ新入生歓迎の集い

Cimg9921kangei1 中島ゼミへの新入生を歓迎する集い(歓迎コンパ)を4月23日(火)の夜に開催しました。会場は恒例の甲東園のちゃんこ樹月、貸切りです。今年の参加者は3年生が16名全員参加でしたが、4年生は昨年と同じ2名でした。中島を加えて19名です。

Cimg9929kangei2 女性がほとんどだったので、あまり食べないかなと思っていましたが、若い皆さんは食欲旺盛で、お店からいつものように、カレーや空揚げなどもサービスしていただき、完食でした。

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行動分析学事典

 Kodobunsekigakujiten 日本行動分析学会・編集の『行動分析学事典』が丸善出版から刊行されます(2019年4月刊、20,000円+税)。私は5名の編纂委員の一人で、主に第II部「実験的行動分析」の編纂を大河内浩人先生と担当しました。また、全172項目のうち下記の12項目を単独執筆しました。なお、最後の項目のみ第III部で、残りはすべて第II部です。

負の強化(除去型強化)pp.202-205
反応非依存強化 pp.206-209
強化による行動低減 pp.210-213
反応率分化強化 pp.222-225
分化結果手続き pp.234-237
消去 pp.238-241
消去後の反応再出現 pp.242-245
刺激馴化 pp.272-275
見本合わせ:基礎 pp.324-327
刺激等価性:基礎 pp.328-331
コロンバン・シミュレーション計画 pp.396-399
強化介入による行動低減 pp.490-493

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ポテンシャル 学習心理学

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日本大学大学院教授の眞邉一近先生から『ポテンシャル 学習心理学』(眞邉一近・著、サイエンス社、2019年4月刊、税別2,600円)をご恵贈いただきました。『学習の心理』(実森正子・中島定彦・著、サイエンス社、2000年6月刊、税別1,500円)と同じ出版社からの書籍ですが、1つ上の学問水準のシリーズの1冊ですので、学習心理学について、より詳しく書かれています。また、最後に「ルール支配行動」の章がありますので、行動分析学の教科書・参考書としても使うことができます。

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応用行動分析学

9784788516229shimamune法政大学教授の島宗理先生から『応用行動分析学―ヒューマンサービスを改善する行動科学―』(島宗理・著、新曜社、2019年4月刊、税別2,700円)をご恵贈いただきました。行動分析学の基礎についてもかなり詳細に記されていますから、この1冊で基礎から応用実践まで網羅された教科書・参考書として、行動分析学を学ぶためのスタンダードとなるでしょう。応用・実践についても、障害児療育だけでなく、NASAの月ロケット計画や、NPO団体がアフリカで行っているサバンナオニネズミによる地雷探知なども詳しく紹介されています。

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2018年度卒業式

Sottsugyo20181upSotsugyo20182up2019年3月18日に関西学院大学卒業式があり、その後に総合心理科学科の卒業証書授与式が行われました。好天にも恵まれ、晴れやかな卒業生の姿は、教員にとって眩しくうらやましいものです。

Shaonkai1upShaonkai2up学科の謝恩会は新大阪のメルパルクホテルで賑やかに行われました。卒業生の皆さんの今後の活躍を期待します。また、今後の人生、五十有余年を健やかに過ごすことができるよう切に祈ります。

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Experimental Animals誌に論文掲載

Journal_coverea_3日本実験動物学会の機関誌Experimental Animals誌の第68巻第1号に下記論文が掲載されました。[こちら]から論文を無料ダウンロードできます。
 嫌悪的処置を最小限にした嫌悪条件づけの技法を開発したという報告です。自発的回転カゴ走行によってラットに味覚嫌悪学習が生じることは、1996年にカナダの研究者が発表して以降、われわれの研究室を含む世界数か所の研究室で確認されています。この味覚嫌悪学習は、味覚を条件刺激(CS)、走行を無条件刺激(US)とする古典的条件づけだとされています。味覚は砂糖水などの味溶液として与えることが多いですから、ラットには事前に摂水制限を行います。食物をCSとする場合には摂水制限ではなく摂食制限をします。こうした制限(剥奪処置)をしておかないと、ラットはそれをあまり口にしないためCS呈示にならないからでです。
 本論文では、ラットの好物である食物をCSとすることで、餌や水の制限という嫌悪的な処置なしでCSを摂取させました。その後、回転かごに入れて自由に走らせるという手続きを取りました。こうした手続きでCS―USの対呈示試行を繰り返すことで、ラットはその味覚を嫌悪する(CS摂取量が少なくなる)ようになりました。USは自発的な運動ですから、嫌悪的処置ではありません。ただし、回転カゴで走行したラットは飼育ケージ内でカオリンという粘土を食べる(粘土食は悪心の指標になります)ことから、走ると気分不快になっているようです。

Nakajima, S. (2019). Food aversion learning based on voluntary running in non-deprived rats: A technique for establishing aversive conditioning with minimized discomfort. Experimental Animals, 68, 71-79.

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横田順彌さん ご逝去

SF作家・明治文化研究家の横田順彌(ヨコジュン)さんが1月4日にお亡くなりになったという新聞・ネット記事を読みました。平井和正さんのSF『超革命的中学生集団』の登場人物のモデルで、ハチャハチャSFという分野を切り開き、明治の作家・押川春浪の研究者でもありました。30年以上前にお手紙を差し上げて、大学祭の講演会をお引き受けいただいたときの興奮と、講演会後に色々と喫茶店でお話しを聞かせていただいたことを懐かしく思います。大河ドラマ『いだてん』に押川と彼が作った天狗倶楽部が登場し、ヨコジュンさんのことを回想していたところでしたので、訃報に大変驚きました。ご冥福をお祈りいたします。

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賀集寛 先生 ご逝去

本学文学部名誉教授の賀集寛 先生が1月8日にお亡くなりになりました。賀集先生は本学ご出身で、1972年から本学に在職され、1997年3月に定年退職されました。浮田潤先生の指導教員で前任者でもあります。私の本学着任は1997年4月ですので、入れ替わりになりましたが、研究室やOB/OG会の集まりなどで色々とお話をさせていただいたことが思い起こされます。賀集先生のご冥福を心よりお祈りいたします。

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